今回は珍しく人物について記してみます。今まで自分の人生の中で、そしてこの店の在り方をも決定付けるほどの最も大きな出会いが今から三年前の2013年にありました。僕が中高生の一番多感な時期に熱狂的に好きだったロックバンド『BLANKEY JET
CITY』のベーシスト照井利幸さんとの出会いです。照井さんがツアーで尾道を訪れたことがきっかけでこの町を気に入って下さり、この町に住んで音楽の創作活動を行っていたのが2013年初夏頃からの約一年半。一枚の素敵なアルバムを作り上げ、この町を去って行かれました。短い期間でしたが僕にとっては頭を殴られる位のインパクトのある大変貴重なものでした。当時の自分は飲食店も3店舗経営し、これから益々多店舗化しよう!という時期に『本物の中の本物』に出会い、親しくさせて戴く中で純粋な音楽への愛や全てを賭けて創作活動に取り組む姿を見て自分の中にある血がゆっくりと本物を目指す道へ向かって行き、経営していた他の二軒の店も閉めて、より自然な美しさや旨さをシンプルに表現することを模索し、今の自分に繋がります。
そんな尊敬する照井さんの快諾を得て、備後茶量ウェブサイトの背景やTOP画像に、照井さんが尾道に住んでいた時に撮影した美しい尾道の写真を使わせて戴いております。※他の写真は『PHOTO』ページをご覧ください。
照井さんは今、東京目黒で一から服をデザインし、作り上げる『THERE』というブランド、ショップを立ち上げて服や音楽など精力的な創作活動を行なわれています。いつかまた尾道にふらっと立ち寄られた時に、尾道の懐かしい思い出や情景が浮ぶような料理を作れるように。『おかえり』という気持ちを伝えれる料理が作れるように。精一杯、今を生きなければなりません。